朝に光を浴びて、夜は光を断て
睡眠にとって光は味方にも敵にもなります。
今回は光と睡眠の関係について書いていきます。
まとめ
・体内時計と呼ばれる概日リズムは青い光【ブルーライト】によってコントロールされる。
①朝の体温上昇期にブルーライトを浴びると概日リズムがリセットされる。
②日中の体温が高い時にブルーライトを浴びても概日リズムには影響を与えない。
③夜の体温下降期にブルーライトを浴びると概日リズムが延長し、レム睡眠や深い眠りが減少する。
④寝室は真っ暗の方が深く眠れる。
・光の使い方
①朝にはカーテンを開け、外の光を取り入れることが大切。
②寝室は真っ暗にする。暗さが怖い場合は足元灯をつける。
下記ではさらに具体的に説明していきます。
【概日リズム】
・概日リズムとは時間による外部環境の変化を予測して、24〜25時間の周期で、時間ごとに体に必要な生理作用をもたらすリズムです。視床下部にある視交叉上核が中枢で、概日リズムをコントロールします。
・光の中でも青色の波長【ブルーライト】の光だけが視交叉上核に送られ、概日リズムに影響します。
【ブルーライト】
ブルーライトとは太陽光やPC、スマホ、タブレット、テレビの液晶に使用されるLEDライトに含まれる青色の光です。現代ではLEDが主流となり、1日中関わることが多くなりました。
【光と時間の関係】
○朝
眠りから覚め、体温が上がり始める時間にブルーライトを浴びると、概日リズムがリセットされ、1日に合わせて動きはじめます。
○昼
日中は光を浴びても概日リズムには影響を与えない光不応期と呼ばれています。
○夜
仕事後や仕事後の運動、お風呂の後には体温が下がり始めます。この時間にブルーライトを浴びると概日リズムが延長され眠りにつきにくくなり、中途覚醒時間増加、深い睡眠やレム睡眠の減少が起こります。
※80〜160lx(iPhoneの明るさ調整30%や電気スタンド程度)の光を浴びると概日リズムが延長するとの研究結果が出ています。
【概日リズムを狂わせないために】
・朝にはカーテンを開け、外の光を取り入れることが大切。
・夜に作業をする場合は白熱灯を用いた上で、100lx程度の明るさで作業を行い、電子機器を触る場合には【おやすみモード】といったブルーライトカット機能を使いましょう。就寝直前は30lxに抑えることが推奨されます。
・寝室は出来るだけ真っ暗にし、怖い場合や夜にトイレに行く場合だけ足元灯をつけるようにしましょう。